2003年11月6日木曜日

NO.4・2003/NOV/6th〜飛び入り


『さかちーのアメリカ旅行記 2003』酒井ちふみが再び単身渡米した際のあれやこれやを綴った旅行記
写真:たけぞうさん、クリスさんと。サンフランシスコのライブ後のバーにて

朝早く起きて素早く行動するつもりが、やっぱり昼までぐうたらしてしまって、目がさめた、でもここはアメリカ、サンフランシスコ、バークレ〜!たけぞうさん家の素敵なキッチンで珈琲とSourdough(サワドーと呼んでたの)という不思議なパンをいただく。このパンとっても大きくて、とってもねちっこくて、結構すっぱい不思議なパンなのだ。サンフランシスコでは、とってもポピュラーらしい、美味しいの。たけぞうさんのオリジナルソングを聞きながら、色々と話した。そして観光にでた。

サンフランシスコを歩く。かに・えび屋台だらけで、それを蒸している匂いがつんとしてた。ブルースが聞こえて来る、階段を上がってステージを見る。ちっちゃいステージにバンドがのっていた、音楽自体は、ちょっとお土産ライブ的で興味が沸かなかった。雨が降っていて、体が冷えていた。アイリッシュコーヒーの美味しいお店へいく。歴史のある珈琲ショップって、ホント良いよね、また話し込む。

美味しい物を食べようという事になって、シーフードレストランヘ行った。良い店で超満員だった、サンフランシスコは観光都市なんだよなぁって思った。クラムチャウダーと蟹と、パスタと注文したが、パスタの量が凄くて持ち帰ることにする。こういうとこ、アメリカは合理的だよね、日本の気取った店ではそんなのしてくれないもん。

満腹で幸せになって、次に向かったのは、たけぞうさんの音楽仲間のクリスさんが演奏しているレストラン『フィガロ』だった。車をとめようにもなかなか駐車場があかず、ぐるぐる回っているうちになんとか空きを見つける。フィガロに入るが、クリスさんがいない。でも数人のバンドマンがセッティングしている。私が、京都のレストランでライブしているのと何も変わらない。いつもの光景だ。

クリスさんがやっと来た、演奏が始まる。Dr,Key,Bass, Saxの四人だ。そうヴォーカルがいない。1stステージが終わって、メンバーにたけぞうさんが私が歌い手だと紹介してくれた。ヴォーカルがいないし、歌ってごらんと言われて、歌う事にした!!サマータイムとイパネマと上を向いて歩こうをそのまま日本語で歌った。もっと歌いたかったけど(笑)私があんまりジャズのスタンダードを知らないから、それでいっぱいいっぱいだった。お客さんはウェルカムな感じでハッピーで有り難かった。あっという間に時が過ぎる。歌い終わると沢山の拍手をもらった、有難う。

バンドの演奏が終わると、いそいで機材をかたす。ひと段落するとメンバー皆、おっきいピザボックスとサラダボウルを貰っていた。まかない付きという訳だ。それを皆もって帰る。ライブはこれで終わりだ。お疲れ様だ。

前は、アメリカで歌う事なんか想像つかなかったし、だからこそ特別な事のように思っていた。そしてそれを実現したなら、どれだけ凄いだろうと、私自身をどれだけ変える事になるんだろうと期待もしていた。でも、もしかしたらそんな事はどうでもいいのかもと思った。何処で歌っても、歌は歌だ。ただそれだけだ。その体の中で育まれたものが、外に出るだけだ。

時間にしたら、きっと15分あったかないかだったけど、貴重な時間だった。
異国の地で歌う事で、感覚が豊かになって、刺激されて、私なりの答えに辿り着くんだ。
だから次も、必ずニューヨークでも歌おうと思った